腱鞘炎にはストレッチがおすすめ!
手や指の腱鞘炎の改善には、ストレッチが有効です。ストレッチには腱鞘を広げて腱の圧迫を軽減する効果が期待できます。特別な道具や専門的な知識が必要なく、家庭で手軽に取り組めるのがストレッチの魅力です。
休憩時間や家事の合間にこまめにストレッチに取り組み、腱鞘炎の改善を目指しましょう。
そもそも腱鞘炎とは?
手指の痛みや違和感の改善を目指すなら、腱鞘炎についてよく知っておく必要があります。まずは、腱鞘炎の症状や原因、なりやすい人の特徴をみていきましょう。
腱鞘炎の症状と原因
腱鞘炎とは、筋肉と骨をつなぐ「腱」と、腱を覆う「腱鞘」の間に炎症が起こる疾患です。腱は筋肉と骨をつないで手指を動かす役割を担い、腱鞘は腱を押さえてなめらかに動くのを助けています。
腱鞘炎は全身で起こる可能性がありますが、特に発症リスクが高いのは手首と手の指です。手首の腱鞘炎は「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」、指は「ばね指(弾発指)」と呼ばれます。手は他の部位より頻繁に細かい動きをするため、腱鞘炎が起こりやすいのです。
腱鞘炎の症状は、主に炎症部分の痛みや腫れ、赤みです。手の指に腱鞘炎が起きると、ねじる・つかむ・つまむ動作がしにくくなることがあります。
腱鞘炎の原因は、手指の使い過ぎです。キーボード操作や楽器演奏などの細かい動作を頻繁に行うと、腱と腱鞘がこすれて炎症が生じます。その結果、腱が腫れたり腱鞘が肥大したりして、痛みや違和感を引き起こします。
加齢も腱鞘炎を引き起こす原因のひとつです。年をとると腱が弱くなったり腱鞘が厚くなったりして、炎症が起こりやすくなります。また、ホルモンバランスの乱れや糖尿病などの病気が影響を与えているケースもあります。
腱鞘炎が進行すると強い痛みやこわばり、手指のしびれに発展するリスクがあるため、放置するのは危険です。悪化すると関節が固まり動かなくなるので、痛みが長引く場合は整形外科を受診しましょう。
腱鞘炎になりやすい人の特徴
腱鞘炎になりやすいのは、日常的に手指を酷使している方です。
長時間キーボードやマウスを操作するデスクワーカーは発症リスクが高いので注意しましょう。ギターやピアノなどの楽器演奏を趣味にしている方、手を酷使するスポーツを趣味にしている方も腱鞘炎になりやすい傾向があります。
また、長時間スマートフォンを視聴している方も注意が必要です。画面のスクロールやゲームでボタンを押す動作も、手を酷使します。日常的に赤ちゃんを抱っこする子育て中のパパやママも腱鞘炎になりやすいため、気を付けましょう。
腱鞘炎のストレッチをする前にすべき対処法
腱鞘炎になったときは、正しい対処が必要です。ストレッチに取り組む前に、下記の要領で対処しましょう。
Step1.痛みや腫れがある場合はアイシングで冷やす
手指を動かしたときに痛みがあるときや、患部まわりに腫れ・熱感がある場合は、冷やすと楽になります。氷嚢やタオルで包んだ保冷剤をあてて、炎症を鎮めましょう。
しかし、長時間アイシングを続けると凍傷のリスクがあるため注意してください。アイシングは1回20分を目安にし、痛みが続く場合は2時間程度の間隔をあけて冷やすことが大切です。痛みが強い場合は、病院で処方された消炎鎮痛剤や湿布も活用しましょう。
Step2.患部を安静に保つ
腱鞘炎になったときは、なるべく手指を動かさないほうが早く回復が目指せるため、患部の安静を保つ必要があります。手を酷使する作業や家事、楽器の練習は控えて、優先順位を決めてできることだけ対処しましょう。
手が腱鞘炎になると、日常的な動作がしにくくなります。痛む手を使う作業や家事は短時間で済ませる、反対側の手を使うなどの工夫も必要です。手を動かせないとストレスになるため、休憩しながら作業してください。装具やサポーターで痛む部位を固定するのもおすすめです。
腱鞘炎におすすめのストレッチ
腱鞘炎の痛みが落ち着いたら、ストレッチしましょう。痛みや違和感があるからと安静にし過ぎると、関節の動きが悪くなります。ストレッチで手指を動かして、早めの改善を目指してください。
腱鞘炎におすすめのストレッチは、炎症が起きている部位によって異なります。痛みや違和感がある部位に合わせて、下記のストレッチに取り組みましょう。
ばね指:指を反らすストレッチ
指全体を伸ばし、腱や関節の動きを柔軟に保つストレッチです。リラックスを心がけて、下記の要領でゆったりと痛む指を引き伸ばしましょう。
1.手のひらを下に向けて、手首を甲側に軽く曲げて反らす
2.痛む指をできる範囲でピンと伸ばす
3.反対側の手で痛む指の先を持ち、10~30秒かけて付け根から甲側にゆっくり倒す
4.ゆっくり指を戻す
5.3~4を20回繰り返す。
ばね指の改善に、朝夕に1日2セット取り組んでください。
ばね指:ブロックをつかむストレッチ
指の可動域を広げて、腱鞘炎の痛みや違和感を和らげるストレッチです。手のひらで握り込める程度の大きさのブロックを用意して始めましょう。木製でもプラスチック製でも大丈夫です。テレビのリモコンでも代用できます。
1.痛む手の平にブロックを置き、指の腹と付け根ではさむ
2.指の付け根と第二関節を90度に曲げる
3.力を入れてブロックを10~30秒握り込む
4.ゆっくりと力を抜く
5.3~4を20回繰り返す
ばね指の改善に、朝夕に1日2セット取り組みましょう。
ばね指:親指を曲げ伸ばしするストレッチ
ブロックをつかむストレッチではケアできない、親指の可動域を広げるストレッチです。
1.痛むほうの手のひらを身体に向ける
2.痛みのある親指の腹に、反対側の手の親指を添える
3.第一関節を伸ばすのを意識しながら、痛みのある親指を付け根から曲げる
4.反対側の親指で逆方向に押し、10~30秒力を掛け合う
5.3~4を20回繰り返す
朝夕に1日2セット取り組んでください。親指が深く曲がらない場合は、できる範囲でかまいません。
手首:手首を動かすストレッチ
手首の腱鞘炎におすすめのストレッチです。手首につながる腕の筋肉を引き伸ばして、腱にかかる負担や痛みを軽減する効果が期待できます。
1.痛みのある手を身体の前に伸ばし、手のひらを下に向ける
2.反対の手で痛みのある手の指をつかむ
3.手首を反らすように手前に引っ張り、10秒キープする
4.ゆっくり戻し、今度は手の甲をつかむ
5.手首を曲げるように手前に引っ張り、10秒キープする
6.ゆっくり戻す
7.2~6を数回繰り返す
腱鞘炎でストレッチをする際の注意事項
ストレッチはリラックスした状態で、ゆったりした動作で行うことが大切です。急に力を込めたり、同じ動作を素早く繰り返したりしないよう注意しましょう。
また、ストレッチは正しい方法で行う必要があります。間違ったやり方や、無理な動作は、逆に腱に負担をかけるため危険です。ストレッチの正しいやり方がわからない場合は、整形外科や理学療法士のいる整体院などに相談してください。
ストレッチで症状が改善しても、無理は禁物です。頻繁な手指の曲げ伸ばしや、入浴中の手指の運動は控えましょう。
腱鞘炎を再発させないための対策
腱鞘炎による痛みや違和感が治っても、患部を酷使しないよう注意が必要です。腱鞘炎は再発しやすいので、日常的な手の使い方を見直しましょう。
長時間PC作業する際は適度に休憩をはさむと、腱鞘炎の再発を防げます。休憩時にマッサージやストレッチに取り組むのもおすすめです。あわせて、キーボードを角度調整したり、机や椅子の高さを調整したりして、手指に負担をかけにくい環境を整えてください。
スマートフォンは片手で持って操作すると手首に負担がかかるため、両手で持って操作する習慣をつけましょう。
子育て中のパパやママは全身を使って赤ちゃんを支えるようにし、授乳時はクッションを活用すると負担を減らせます。
まとめ
腱鞘炎は、手を酷使する方に多い疾患です。長時間のキーボード操作や事務作業に従事するデスクワーカーは、特に注意してください。腱鞘炎が悪化すると痛みが強くなり、手首を動かせなくなったり物がつかめなくなったりするため、放置するのは危険です。家庭でも無理のない範囲で腱鞘炎のストレッチに取り組んで、早めの改善を目指しましょう。