筋肉痛に整体は効果的?基本の理解と仕組み
結論からいうと、整体で筋肉痛が直接的に緩和される科学的な根拠はありません。ただし、施術を受けることで血行やリンパの流れが促進され、間接的に疲労感の軽減やリラックスにつながることがあります。
ここでは、筋肉痛が起こる原因や整体の施術に期待できる効果などについて解説します。
筋肉痛の種類と原因
筋肉痛には「即発性筋肉痛」と「遅発性筋肉痛」の2種類があります。即発性筋肉痛とは、運動中または運動直後に発生する筋肉痛です。高強度の運動などによって筋肉に過度な負荷がかかり、水素イオンが蓄積することで起こるといわれています。
遅発性筋肉痛とは、運動してから数時間~数日経過後に発生する筋肉痛です。運動などによって筋肉に小さな傷が付き、炎症反応が生じて起こると考えられています。
整体の施術で得られる効果
整体は、手技を用いて身体のバランスを整え、筋肉や関節の動きをサポートする施術です。
筋肉の緊張が緩んで身体がリラックスするため、副交感神経が優位になり疲労回復しやすい身体づくりにつながります。
また、血行やリンパの流れが促進されて全身に酸素や栄養が届きやすくなり、老廃物が排出されやすくなるので、身体のむくみや冷え、肩こりなどの不調が和らぐこともあります。
整体に通うメリットや整骨院・接骨院などとの違いを知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
「整体に通う5つのメリットを解説!整骨院・接骨院・病院との違いは?」
筋肉痛に整体がおすすめな理由
筋肉が回復するには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が必要です。整体の施術によって血行が促されることで、栄養が体内に行き渡りやすくなり、筋肉のコンディション維持をサポートする一助となる場合があります。
また、リンパの流れも促されるため、発痛物質がスムーズに排出されやすくなるというメリットもあります。
疲れた筋肉に栄養を送るには、整体の施術を受けるだけでなく、運動後に栄養補給することも大切です。日々の食生活を見直し、炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素をバランス良く摂取しましょう。
筋肉痛のときに整体に行く際の注意点
筋肉痛が起きているときに整体に行く場合は、下記の2点に注意しましょう。
・痛みが強いときは控える
・タイミングを考える
上記の詳細について解説します。
筋肉痛の痛みが強いときの整体はNG
下記のような場合は、整体の施術による刺激で痛みが悪化する可能性があるため、整体に行くのは控えましょう。
・強い痛みを感じている
・患部が腫れている
・発熱している
上記のようなケースでは、筋肉に強い炎症反応が生じていると考えられます。炎症が起きているときに患部を刺激すると、さらに筋線維がダメージを受けて回復に時間がかかる場合があります。
特に筋肉を使いすぎた次の日は、無理に整体の施術を受けるよりも患部を冷やして安静にしましょう。
整体に行くタイミング
整体に行くおすすめのタイミングは、ピークは過ぎたものの痛みが残っており、日常生活を送る上で問題が出ているときです。特に、慢性的な筋肉の張りや姿勢のクセによる違和感があるときに向いています。
整体の施術を受けても良いか不安を感じる場合は、事前に電話するか、カウンセリングの際に症状を伝えて相談してみましょう。
筋肉痛を予防する方法
筋肉痛が起きてから対処するよりも、できるだけ筋肉痛が起こらないようにすることが大切です。ここでは、筋肉痛の予防法を紹介しますので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。
運動の前後にストレッチとウォーミングアップをする
筋肉痛を予防するには、運動の前後にストレッチとウォーミングアップを行うことが大切です。例えば、運動前にラジオ体操などの動的ストレッチを行うと、筋温が上がって筋肉や関節の柔軟性が高まるため、筋肉痛やケガの予防につながります。
また、運動後に前屈や肩回しなどの静的ストレッチを行うと、運動によって緊張した筋肉が緩み、筋疲労や炎症を抑えやすくなります。しっかりとクールダウンを行えば、翌日以降の筋肉の張りも軽減できるでしょう。
なお、ストレッチを行うときは、下記の点を意識することが重要です。
・反動をつけない
・呼吸を止めない
ストレッチの際に反動をつけると、筋肉が急激に引き伸ばされて断裂するなど、ケガをしてしまうおそれがあります。さらに筋肉が収縮して、かえって柔軟性が低下してしまうので、勢いをつけずにゆっくり動きましょう。
呼吸を止めるのもNGです。呼吸を止めると筋肉が緊張して硬くなるので、ストレッチの効果が低下してしまいます。息を止めることで血圧が上がって身体に負担がかかる場合もあるので、ストレッチ中は常に深呼吸することを意識しましょう。
運動後の食事に気を付ける
先述の通り、筋肉の回復には栄養が必要です。筋肉痛を予防したいなら、運動後の食事の内容にも注意しましょう。まんべんなく栄養素を摂る必要がありますが、特に下記のような栄養素を意識して摂取しましょう。
栄養素 | 期待できる効果・役割 | おすすめの食材 |
タンパク質 | 筋肉の材料となる | ・鶏のささみ・胸肉
・まぐろ ・かつお ・牛乳 ・卵 など |
ビタミンB群 | 糖質・脂質の代謝をサポートし、エネルギーを生み出す | ・豚のヒレ肉
・鶏レバー ・うなぎ ・卵 ・玄米 など
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ビタミンC | 疲労回復に役立つ | ・パプリカ
・ブロッコリー ・キウイフルーツ ・いちご など |
ミネラル | 筋肉の働きを高める | ・海藻
・きなこ ・干しエビ ・パルメザンチーズ など |
また、水分をしっかりと摂ることも大切です。一度に大量に飲むのではなく、こまめに水分補給することを心がけましょう。
身体を休めて十分な睡眠をとる
筋肉の回復には休息も欠かせません。睡眠時に分泌される成長ホルモンが筋肉を修復・強化するため、十分に睡眠をとって身体を休めるようにしましょう。
厚生労働省は、1日6時間以上の睡眠時間を確保することを推奨しています。夜更かしを避け、しっかりと眠るようにしましょう。また、睡眠は時間だけでなく「質」も重要です。下記のような習慣を身に付け、睡眠の質を上げましょう。
・毎日同じ時間に起床・就寝する
・寝室の光や温度を快適に保つ
・カフェインやアルコールの摂取を控える
・寝る直前のPCやスマートフォンの使用を避ける など
運動習慣を身につける
定期的に運動する習慣を身に付け、運動する間隔を短くするのも有効です。「繰り返し効果」といい、短期間で何度も同じ筋肉を使うことで筋肉痛になりにくくなります。
週に数回ウォーキングをする、毎晩ストレッチを行うなど、こまめに運動するようにしましょう。
整体で筋肉の柔軟性を維持する
整体の施術を受けて筋肉の柔軟性を保つことも、筋肉痛予防に役立ちます。筋肉や関節の可動域が広がって動かしやすくなるため、筋肉痛になりにくい身体になるのです。
また、身体の歪みを調整することで左右のバランスの崩れが修正されるので、特定の部位に負担がかかるのを防げます。
さらに整体院ではセルフケアやストレッチのやり方などの指導が受けられるので、自宅での対策を強化することも可能です。
なお、痛みが出てからの施術は避けたほうが望ましいため、運動後すぐなど筋肉痛を感じる前に施術を受けるのがおすすめです。
まとめ
筋肉痛は、運動などによって筋肉がダメージを受けることで発生します。普段から運動する習慣を身に付けておく、栄養や睡眠を十分に摂取するなどして予防に努めましょう。
また、整体の施術を受けると血行やリンパの流れが促進され、疲労回復につながります。筋肉痛の予防やコンディション調整の一環として整体を活用することを検討してみましょう。