寝起きに肩が痛い原因とは?肩の痛みの対処法から予防法まで解説

朝起きたときに肩が痛いと、しっかり休めた気がしなくてつらいですよね。寝起きに肩が痛む方は、寝具の選び方や日頃の生活習慣を見直すと痛みが緩和される場合もあります。 今回は、寝起きに肩が痛くなる原因や対処法、痛みを予防するためのポイントを解説します。


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寝起きに肩が痛くなる原因

まずは、寝起きに肩が痛くなる原因を紹介します。

寝具が身体に合っていない

普段使っている枕やマットレス、敷布団といった寝具類が身体に合っていないと、寝起きに肩が痛くなりやすいとされています。これは、身体のラインにフィットしにくい寝具を使っていると、首や肩などに余計な負担がかかって血行不良を引き起こすことが原因です。

例えば、高すぎる枕は頸椎のカーブがより大きく、急カーブを描くようになってしまいます。頸椎が大きく曲がった状態で寝ていると、首や肩に大きな負荷がかかって筋肉が緊張します。結果として、発痛物質が蓄積され、寝起きに肩が痛くなるのです。

一方で、低すぎる枕を使っている場合は、頸椎が逆U字カーブを描く寝姿勢になります。この場合も理想的な寝姿勢とはいえず、首や肩まわりの筋肉に負担がかかりやすいので注意が必要です。

肩に負担のかかる姿勢で寝ている

寝ている間の姿勢も、肩の痛みに大きな影響を与えます。

うつ伏せ寝をするなかで顔がどちらかに傾いていたり、横向き寝で体重が身体の一方のみにかかっていたりする姿勢はあまり良くない寝姿勢です。

無意識のうちに姿勢が変わってしまうこともありますが、自分では寝やすいと思っている姿勢が肩の痛みにつながっている可能性も否定できません。

寝ているときの室温が低い

寝室の温度が低い場合も、肩の痛みが出やすくなります。

夏場で冷房を効かせている、冬場でもともと室温が低い、布団を首や肩までしっかりかけていない場合などは、首まわりや身体全体が冷えて血行が悪くなります。寝室の環境や寝方によって筋肉が緊張し、肩こりや痛みの原因となるのです。

さらに、何らかの理由で固くなった筋肉が首や肩まわりの神経を圧迫し、寝ている間も痛みがより強くなってしまうケースも多く見られます。

歯ぎしりをしている

寝ている間に歯ぎしりしていることも、寝起きに肩が痛くなる原因のひとつです。

歯ぎしりは一見肩の痛みとは無関係に思えますが、歯ぎしりをすることで顎や首をはじめ、つながっている肩にも強い力がかかり続けます。そのため、寝ている間に歯ぎしりが続くと肩の筋肉にも力が入って固くなり、翌朝起きたときに肩の痛みが生じるのです。

ストレスが溜まっている

日々のストレスが発散しきれていないと、肩の痛みとして身体に症状が現れてくるケースもあります。

ストレスが溜まると交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上昇します。ストレスを抱えていると、就寝中に交感神経が優位になって血流が減り、筋肉に老廃物や発痛物質が溜まりやすくなるのです。

寝起きに感じる肩の痛みの対処法

ここでは、寝起きに肩が痛くなってしまったときの対処法を解説します。

ストレッチをする

寝姿勢が特に悪くなくても、ただでさえ寝起きは肩の筋肉がこわばっていることが多いものです。起きたときに軽くストレッチをして筋肉をほぐすことで、痛みがある程度やわらぎます。

1.両腕を天井に向かって伸ばす
2.肩甲骨を寄せるイメージで、両腕を10回程度後ろに引く
3.両肩に両手を置き、前後に10回程度回す

ストレッチのほか、ラジオ体操で行う深呼吸の運動も有効です。深呼吸の運動では、腕を前に伸ばした後に上方向に振り上げ、横から下ろしていきます。ゆっくり深く呼吸をしながら、10回程度繰り返してみましょう、

大きく肩を動かすことで筋肉の緊張がほぐされ、何度も深呼吸しているうちに血流も良くなるため、肩の痛みが軽減します。

ツボ押しをする

肩こりや痛みを和らげるには、ツボ押しをするのも効果的です。強く押しすぎず、「痛気持ち良い」くらいの強さで押すと良いでしょう。また、やりすぎるともみ返しが起こることもあるため、1回につき5秒程度を目安に押すのもコツです。

天柱(てんちゅう)

天柱は、後頭部の髪の生え際付近にあるツボです。首にある太い骨の外側に位置しています。骨の中央部にある凹みを探し、その外側を押してみましょう。

風池(ふうち)

風池は、天柱の外側にあるツボです。天柱を見つけたら、さらに指1本分程度ずれたところにあるので、親指の腹で痛気持ち良い程度の力で押し込んでみましょう。

合谷(ごうこく)

合谷は、手の親指と人差し指の間に位置するツボです。比較的見つけやすいツボなので、寝起きでも簡単にツボ押しできます。親指の腹をあてて、手のひら側から人差し指で挟んで刺激しましょう。

後渓(こうけい)

後渓は、手の小指の付け根近くにあるツボです。手の側面に位置しており、手を握ったときにできる2本目のシワ付近にあります。

手三里(てさんり)

手三里は、肘の近くにあるツボです。ひじを曲げたときにできるシワの先端を起点に、手に向かって指3本分くらいの場所にあります。曲げた腕とは反対側の手の親指で押し込んで刺激しましょう。

適度な運動をする

肩こりや痛みは、首や肩まわりの血流が滞っていることも原因です。血流を良くするためにも、日頃から適度な運動を取り入れましょう。

激しい運動をするのではなく、ウォーキングのような強度が低めの運動を選ぶのがコツです。運動による効果は血流が良くなる以外に、筋肉の柔軟性が高まって肩こりそのものを軽減できる効果もあります。

寝起き以外でも肩こりがある方は、無理のない範囲で運動を始めてみてください。

温かいお風呂に入る

シャワーだけで済まさず、お風呂に浸かって身体をあたためるのもおすすめです。湯温は38~40度程度で設定し、15~20分程度浸かりましょう。ややぬるめのお湯にゆったりと浸かることで、血流が良くなります。

就寝中に緊張して固くなった筋肉をほぐしたり、たまった老廃物の排出を促したりする効果が期待できるので、毎日のルーティーンに取り入れてみてください。

湯船に入りながら、簡単なストレッチをするのも効果的です。例えば、両肩に力を入れながら上に持ち上げ、一気に脱力して肩を落とします。筋肉がやわらかくなった状態で行うと、より筋肉がほぐれやすく、リラックスできます。

寝起きの肩の痛みを予防する方法

痛みが出てしまったときの対処法を知ることも大切ですが、そもそも肩の痛みを起こさないための予防法も押さえておきましょう。ここでは、寝起きの肩の痛みを予防するポイントを解説します。

寝具を見直す

寝ている間に肩や首にかかる負担を減らすなら、思い切って寝具類を買い替えるのもおすすめです。

枕に関しては、前述のように高すぎても低すぎても負担がかかります。枕を選ぶときには、首と枕のすき間がきちんと埋まり、頭の角度が5度くらいに傾くものが理想的です。

また、マットレスは硬すぎず柔らかすぎないものを選びましょう。マットレスが硬いと首や腰、肩が浮いて余計な負担がかかりやすくなります。一方で、柔らかすぎるマットレスは、身体が大きく沈んで肩や首に負荷がかかることもあるので注意が必要です。

肩まわりを使う運動をする

肩をよく使う運動を取り入れることで、肩まわりの筋肉が固くなるのを防ぐことにつながります。肩の筋肉は意識しないと意外と動かず、日常生活を送っているだけではあまり動いていません。

肩を動かす運動をすることで、筋肉が緊張してこわばるのを予防し、寝起きに肩が痛くなるのをある程度回避できます。

肩まわりを動かすスポーツとしておすすめなのが水泳です。水泳は運動習慣の有無や体力に合わせて、泳ぐスピードや距離を無理のない程度に設定できます。また、浮力が働くので骨や関節に負担がかかりにくいため、ケガのリスクを減らしながら身体を動かせます。

寝る前にリラックスする

就寝前にリラックスタイムを設けると、寝ている間に副交感神経が優位になって熟睡しやすくなります。好きな本を少しずつ読んだり、アロマテラピーやスローテンポの音楽を流したりするのがおすすめです。

一方で、就寝前に避けておきたいのがスマートフォンの使用です。画面を見下ろしたり、寝ながら画面を見たりすると首や肩に負担がかかるので避けましょう。寝酒を嗜む方もいるかもしれませんが、深酒をせず適量でとどめておくことも大切です。

日頃から姿勢に気を付ける

普段から猫背になってしまう、椅子の背もたれに身体を深く座ってよりかかってしまうなど、姿勢が悪いと肩や背中に大きな負担がかかります。そのため、良い姿勢を心がけて身体への負担を軽減することも重要です。

日中に背筋をしっかり伸ばした状態で生活するくせがつけば、寝ている間に起きる肩の痛みを予防することにもつながります。また、姿勢を維持するためにさまざまな筋肉が動くようになるので、筋肉のこわばりも予防できるのでおすすめです。

まとめ

寝起きに起きる肩の痛みは、寝具が身体に合っていなかったり、寝室の環境が整っていなかったりと、さまざまな原因が絡んでいます。痛みが出てしまったら、ストレッチやツボ押し、運動や入浴などを取り入れるのがおすすめです。

頻繁に痛みが出る場合は、寝具を買い替える、姿勢を正すなど、生活習慣そのものを見直すと症状が和らぐケースもあります。今日からできる対策をして、快適な朝を迎えましょう。

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