反り腰にフォームローラーは役立つ?反り腰改善エクササイズや注意点も解説

反り腰になると、腰痛やむくみなどの症状が出たり、ぽっこりお腹になったりと、身体にさまざまな不調を引き起こすことがあります。しかし、どうすれば反り腰を改善できるのかがわからない方もいるでしょう。そんなときに役立つのがフォームローラーです。今回は、フォームローラーが反り腰改善に役立つ理由や基本の使い方、注意点などについて解説しますので、反り腰にお悩みの方はぜひ参考にしてください。


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反り腰にフォームローラーが効果的?その理由は

反り腰とは骨盤が必要以上に前に傾き、腰が反ってしまっている状態のことです。反り腰の状態が長く続くと、腰に負担がかかって腰痛になったり、お腹やお尻が突き出て身体のラインが崩れてしまったりと、身体に問題が起こりやすくなります。

反り腰は、運動不足や姿勢の悪さなどによって腹筋が弱くなったり、筋肉の柔軟性が失われたりすることが原因で起きるとされています。

そのため、フォームローラーを使ったエクササイズを行い、筋肉の柔軟性を高めると反り腰が改善する可能性があります。

フォームローラーとは、硬さのある円柱状のクッションのようなアイテムです。上に寝転がる、床と身体の間に入れるなどしてストレッチの効果を高めます。

エクササイズによって筋肉が緩むと、副交感神経が優位になるため、身体がリラックスしたり、呼吸が深くなって酸素を取り入れやすくなったりといった効果も期待できます。

フォームローラーの基本の使い方

フォームローラーを正しく安全に使用するために、基本の使い方を覚えておきましょう。

フォームローラーの乗り方

フォームローラーは円柱状なので、乗り方に注意する必要があります。下記の流れを参考に、ゆっくりと身体を乗せましょう。

1.フォームローラーを床に置き、端におしりを載せる
2.両手で身体を支えながら後ろに倒れ、フォームローラーの上に仰向けになる
3.おしりから頭までが真っ直ぐになるように、身体の位置を調整する

仰向けになったときに、フォームローラーから頭がはみ出ないように注意してください。また、身体が転がり落ちないよう、膝は軽く開いて立てておきましょう。

身体の位置が調整できたら腕の力を抜き、手の平を上に向けた状態で身体の横に自然に下ろしましょう。上手くバランスが取れていて身体が落下しないことを確認できたら、全身の力を抜きます。これがフォームローラーの基本姿勢です。

フォームローラーの降り方

フォームローラーから勢い良く起き上がると、転倒してケガをするおそれがあります。まずはおしり、次に腰、そして背中から肩の順にゆっくりと横にずり落ち、最後に頭を下ろしましょう。

フォームローラーを使った反り腰改善エクササイズ

ここでは、反り腰の改善をサポートするエクササイズを5つ紹介します。

なお、フォームローラーを使ったエクササイズの前後は、セルフモニタリングをするのがおすすめです。セルフモニタリングは、下記の流れで行います。

1.足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、足裏全体が床についているか、重心が偏っていないかをチェックする
2.立った状態のまま身体を左右に倒し、どこまで曲がるか、脇腹が突っ張る感じがしないかをチェックする
3.次に身体を左右にひねり、どこまでひねられるか、左右差や突っ張り感がないかをチェックする
4.両肩を大きく回し、スムーズに動くか、左右差はないかをチェックする
5.首を前後左右に倒し、どこまで曲がるか、左右差や突っ張り感がないかをチェックする
6.仰向けになり、肩や背中がしっかりと床についているか、左右差はないかをチェックする

エクササイズ前にこれらのチェックを行い、エクササイズ後に再チェックすることで、身体の変化を感じやすくなるため、ぜひ試してみてください。

小さなゆらぎ運動

小さなゆらぎ運動は、思い立ったときにすぐできる簡単なエクササイズです。

【手順】
1.フォームローラーの上に仰向けになり、基本姿勢を取る
2.身体の力を抜いたまま、上半身を左右にゆらゆらと10回揺らす

背骨全体が波打つように、小さく揺らすのがポイントです。身体を大きく動かしてフォームローラーから落ちてしまわないように注意しましょう。

うつ伏せになって太ももを乗せる運動

太ももの前面にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」や、腰椎から股関節の前側に向かって伸びる「腸腰筋(ちょうようきん)」が硬くなると、骨盤が前に傾きやすくなって反り腰につながります。

うつ伏せになってフォームローラーに太ももを乗せるエクササイズで、大腿四頭筋や腸腰筋の柔軟性を高めましょう。

【手順】
1.フォームローラーを身体に対して平行(横向き)に置く
2.うつ伏せになってフォームローラーの上に太ももを乗せる
3.肘を90度に曲げて床につく
4.身体を前後にゆすり、太ももの前側をほぐす

回数の目安は5~20回程度、太ももの前側が緩んだと感じるまで身体をゆすります。

膝開き運動

膝開き運動は、太ももの内側の筋肉の柔軟性を高めるのに役立ちます。

【手順】
1.基本姿勢を取る
2.左右の足の裏をくっつけて膝を開き、20~30秒ほどキープする
3.いったん閉じて、再度膝を開く
4.2~3の手順を5回繰り返す

膝を開くときは、無理に勢いをつけないように意識しましょう。

手足の対角運動

手足の対角運動は、手足を使って身体を斜め方向にストレッチする方法です。腹筋群や腸腰筋の柔軟性を高めるのに役立ちます。

【手順】
1.基本姿勢を取る
2.両側の足を閉じる
3.左腕を斜め上に、右足を斜め下に伸ばすイメージで引き合う
4.基本姿勢に戻って足を閉じる
5.右腕を斜め上に、左足を斜め下に伸ばすイメージで引き合う

無理に伸ばそうとせず、自然に気持ち良く伸びる程度にするのがポイントです。

足のバイバイ運動

足のバイバイ運動は、股関節の柔軟性を高めて正しい位置に戻す効果が期待できるエクササイズです。

【手順】
1.基本姿勢を取る
2.両足のつま先をバイバイするように内側に向けたり外側に向けたりする

目安は20回程度です。リズム良く足先を振りましょう。

フォームローラーを使う際の注意点

フォームローラーはストレッチの効果を高めるのに役立つ便利なアイテムですが、使い方を誤るとかえって反り腰が悪化したり、ケガをしたりする可能性があります。

安全にフォームローラーを使用するためにも、ここで解説する注意点を把握した上で使用しましょう。

長時間使用してはいけない

早く反り腰を改善したいからといって、長時間フォームローラーを使用するのは止めましょう。フォームローラーは、使えば使うほど効果が増したり長く続いたりするものではありません。むしろ長く使うことで特定の部位に負担がかかり、痛みが出るおそれがあります。

また、フォームローラーでエクササイズをすると筋肉や関節が緩みますが、使用時間が長いと過度に緩みすぎることがあるので注意が必要です。

筋肉や関節の緩みすぎも身体の不調を招く場合があるので、フォームローラーの使用は1日5分~15分程度に留めておきましょう。

降り方に気をつける

フォームローラーは円柱状で転がるので、急に起き上がると転倒したりケガをしたりする可能性があります。

先に解説した通り、「お尻→腰→背中→肩→頭」の順に、横にずり落ちるようにしながらゆっくり降りましょう。特に頭は重量があるので注意してください。

まとめ

反り腰の状態が長く続くと、腰痛やぽっこりお腹などさまざまな不調が引き起こされる可能性があります。フォームローラーを活用して筋肉の柔軟性を高め、反り腰の改善を目指してみてください。

フォームローラーは円柱状なので、慣れないうちは身体が安定しづらいかもしれません。基本の乗り方・降り方を覚えて、安全面に配慮しながら使用しましょう。