顎関節症でやってはいけないこと|健康リスク、軽減方法も解説

口を開閉したときにあごがカクカクしたり、痛みや違和感を覚えたりするのは、顎関節症が原因かもしれません。放置すると身体にさまざまな問題が起こる可能性があるため、生活習慣を見直し適切に対処することが大切です。 今回は、顎関節症の症状や発症時にやってはいけないこと、症状軽減の方法などについて解説します。


この記事は約7分で読み終わります。

顎関節症とは

顎関節症とは、あごの筋肉や関節に不快感が現れる病気です。主な症状として、次のようなものがあります。

・あごの関節に痛みや違和感、不快感がある
・口を開閉したときに「カクカク」「コキッ」と顎関節から音がする
・口を大きく開くのが難しい
・口をスムーズに開閉できない
・時々あごが外れる
・歯の噛み合わせに違和感を覚える など

また、頭痛や首・肩の痛み、眼精疲労、耳鳴りなど、あご以外の部位に不調が生じる場合もあります。

顎関節症の原因は、歯の噛み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどさまざまです。複数の要因が絡み合って生じることも多いとされています。いずれにしても放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めに専門医に相談しましょう。

顎関節症でやってはいけないこと

顎関節症は生活習慣と密接に結びついています。悪化を防ぐためにも、顎関節症が疑われる、あるいは診断された場合のNG行動を知っておきましょう。

片側で噛む

食事の際に左右のどちらか一方の歯だけで噛むクセは、顎関節症を引き起こす大きな原因のひとつです。顎関節の動きが左右で変わり、頻繁に使うほうに大きな負担がかかるため、顎関節症の発症・悪化につながります。

あごに負担がかかる姿勢を取る

顎関節症になったときは、以下のようなあごに負担がかかる姿勢を続けるのもNGです。

・頬杖をつく
・毎日身体のどちらか一方を下にして寝る
・デスクワークなどで長時間顔を下に向ける
・スマートフォンを使うときに首を前に突き出す など

あごへの負荷が顎関節に圧力をかけることで、痛みが生じやすくなります。

TCH(歯列接触癖)がある

TCH(歯列接触癖)も顎関節症のときに避けたいもののひとつです。TCHとは、無意識に上下の歯を接触させ続けてしまうクセを指します。

身体がリラックスしているときは、上下の歯が数ミリ離れているのが正常な状態です。しかし、TCHがある方は無意識に歯を接触させてしまっているため、歯や顎関節に負担がかかって緊張してしまいます。

食いしばりや噛み締めなどの場合、歯やあごに強い圧力がかかるので長時間維持し続けられません。

一方、TCHの場合は数グラム程度の小さな圧力であるため、長時間続けてしまいがちです。その分、顎関節が緊張した状態も長引くため、疲労や痛みが生じやすくなります。

歯ぎしりをする

歯ぎしりも顎関節に大きな負担をかけるため、顎関節症を発症したときは注意が必要です。

歯ぎしりによって歯やあごにかかる力は体重の数倍とされており、長期間続くと顎関節が疲弊して、痛みが出やすくなります。

急に口を大きく開ける

あくびをしたり笑ったりして急に口を大きく開くと、顎関節症でダメージを受けている顎関節にさらなる負担を与えてしまいます。

また、歌手や司会者、テレフォンオペレーターなど、長時間声を出し続けることが多い職種の方も顎関節症になりやすい傾向にあります。声を使う職種でなくても、頻繁にカラオケに行くなど大きな声を出すことが多いと顎関節に負担がかかりがちです。

あくびをするときや声を出すときなどは可動域を確認し、口を大きく開けすぎないようにすることを意識しましょう。

うつ伏せで寝る

うつ伏せで寝るとあごまわりに負担がかかりやすいので、顎関節症の症状が悪化する可能性があります。顔や首、頚椎などにも圧力がかかるため、睡眠の質が低下し疲労回復しにくくなるというデメリットもあります。

爪を噛むクセがある

爪を頻繁に噛むクセも、顎関節症の発症・悪化につながります。硬い爪を噛むことで、顎関節への負担が増大するためです。また、歯並びに悪影響が出て噛み合わせが悪くなり、顎関節症を発症する場合もあります。

同じ理由で、ナッツ類やせんべいなどの硬い食べ物やガムなどを頻繁に食べると、顎関節症の症状が悪化しやすくなります。

スキューバダイビング、管楽器などの趣味

スキューバダイビングをしたり、フルートやトロンボーンなどの管楽器を演奏したりする趣味がある方、これらを仕事にしている方も顎関節症になりやすい傾向にあります。

スキューバダイビングや管楽器の演奏をするときには、あごを引いた体勢が長時間続いたり、マウスピースを使い続けたりするためです。あごを引いた体勢やマウスピースの使用は、顎関節の動きに偏りが出やすく負担がかかります。

そのほか、野球やバイオリンの演奏なども、顎関節症を発症したり症状が悪化したりしやすいといわれています。

顎関節症がもたらすリスク

口を開閉するときに音がしたり、あごに多少違和感を覚えたりする程度なら、治療の必要性を感じない方もいるでしょう。

しかし、顎関節症を放置すると症状が悪化し、口をあまり開けなくなったり食事をする度に痛みを感じたり、あごが変形してしまったりするおそれがあるのです。

さらに口やあごのトラブルにとどまらず、全身に不調が出る場合もあります。顎関節症による口やあご以外の部位の症状として、以下のようなものがあげられます。

・頭痛
・肩こり
・耳の痛み
・耳鳴り
・めまい
・背中の痛み
・腰痛 など

こうした症状が出ると日常生活にも支障をきたしてしまいます。顎関節症の症状が悪化する前に専門医に相談し、早めに治療を開始しましょう。

顎関節症を軽減させる方法

顎関節症の症状を軽減するには、NG行動を改めるだけでなく、新たな生活習慣を取り入れることが有効です。

また、症状がひどい場合は医療機関を受診し、治療を受けることが推奨されます。ここでは、顎関節症を緩和するための生活習慣と受診先を紹介します。

適度な全身運動をする

適度な全身運動を行い血流を促進すると、筋肉の緊張が緩んで顎関節症の症状が和らぐ可能性があります。散歩やウォーキング、軽いジョギング、ストレッチなどを無理のない範囲で取り入れましょう。

ただし、血行を良くしたいからといって、自己流のマッサージを行うのはおすすめできません。今の状態に合わないマッサージをしてしまうと、かえって症状が悪化するおそれがあるためです。

マッサージを取り入れたい場合は専門医に相談し、自分の症状に合った方法を指導してもらいましょう。

リラックスできる時間をつくる

ストレスが溜まると食いしばりや歯ぎしりをしてしまったり、あごまわりの筋肉が緊張したりするため、顎関節症の発症・悪化につながる場合があります。

ストレスが溜まるのを防ぐために、リラックスできる時間を意識してつくりましょう。ゆったり入浴する、深呼吸するなど、手軽にできる方法から始めるのがおすすめです。

専門医の治療を受ける

顎関節症は早めに治療を開始することが重要です。一般歯科だと対応しきれない場合があるので、口腔外科や顎関節症専門の歯科医院を受診するようにしましょう。

日本顎関節学会のホームページで、学会認定の顎関節症専門医を探すのがおすすめです。顎関節症の診療経験が多く、なおかつ一定以上の知識やスキルがあると認められているため、より専門的な診療・治療が受けられます。

参考:一般社団法人日本顎関節学会「専門医・指導医・認定医一覧

まとめ

顎関節症は初期段階だと、口の開閉時に音がしたり違和感を覚えたりする程度のことが多いため、治療の必要性を感じない方も少なくありません。

しかし、顎関節症を放置すると痛みや違和感が続くだけでなく、口が開かなくなったりあごが変形したりするリスクがあります。さらに頭痛や肩こりなどあごまわり以外の部位にも症状が現れ、日常生活に支障が出る場合もあります。

まずはやってはいけない生活習慣を改め、症状緩和に良い生活習慣を身に付けましょう。また、悪化する前に専門医に相談することも検討してみてください。

【関連記事】
顎関節症におすすめのストレッチ&マッサージ|症状や原因についても解説