X脚とはどんな状態?
X脚(外反膝:がいはんひざ)とは、両膝が内側に湾曲した状態のことです。X脚の方は、両膝の内側をそろえて立っても、左右のくるぶしがくっつきません。真正面から見たときに、足の形が「X」の文字のように見えることから、X脚という通称で呼ばれています。
かつて、X脚は主に欧米人に多い症状でしたが、現代では日本人にも多くみられるようになりました。
X脚の症状
X脚は「パンツスタイルのときに脚のラインが目立って気になる」といった外見上の問題だけでなく、健康面でもさまざまな不調が現れます。例えば、立ったり歩いたりしたときに膝関節の内側に負荷がかかり、膝や股関節、足首の痛みが出やすくなります。歩行時に膝や足首が不安定になり、転倒のリスクが高まる可能性もあるでしょう。
また、X脚を放置すると姿勢や筋力のバランスが悪くなり、変形性膝関節症も引き起こしかねません。変形性膝関節症とは、膝の関節軟骨がすり減って骨が変形することで、膝の痛みや炎症、動きの制限などの症状が現れる病気です。
そのほか、膝の内側が痛む鵞足炎(がそくえん)や、足の裏が痛む足底腱膜炎(そくていけんまくえん)、足の親指がくの字に曲がる外反母趾(がいはんぼし)などにつながることもあります。
X脚の原因
骨の成長や発達に関わる遺伝的な要素により生まれつきX脚の方もいますが、後天的なX脚の原因は、日頃の生活習慣やクセが関係しています。ここでは、X脚の主な原因をみていきましょう。
不良姿勢・不自然な歩き方
椅子に座るときに足を組むクセがあると骨盤が後ろに倒れ、股関節周囲の筋力低下につながります。その結果、骨盤や股関節が歪み、X脚を引き起こします。特にデスクワークやスマートフォンの操作、テレビ視聴など、同じ姿勢で座る時間が長い方は注意が必要です。
また、両膝を同じ方向に倒して座るお姉さん座りや、両足の間にお尻を落として座るぺたんこ座りは膝の骨が歪みやすく、X脚のリスクが高まります。内股の歩行がクセになっている方も、X脚になりやすい傾向があります。
足やお尻の筋力低下
運動不足や加齢による筋力の低下もX脚の原因です。特に、太ももの内側にある内転筋(ないてんきん)や、お尻まわりの殿筋(でんきん)の筋力が不足すると骨盤を正しい位置で支えられなくなり、X脚のリスクが高まります。運動不足で肥満になると膝関節に負担がかかり、さらにX脚が悪化する可能性があるでしょう。
また、お尻の筋力が弱いと歩行時に太もも内側の筋肉を使うようになり、その結果内股になり、X脚を引き起こすおそれがあるのです。
親指の機能不全
足の親指は、重心をコントロールして身体のバランスをとる役割を担っています。しかし、足の指の機能が低下していると足が内側に倒れやすくなります。その結果、ひざ下の骨が内側に曲がり、X脚を引き起こすのです。
裸足の状態で足の指を握ったり開いたりしたとき、指がうまく曲がらない・開かない場合は、足の指の機能が低下しているかもしれません。
病気
2~6歳までの子どもは軽度のX脚がよくみられますが、多くの場合、7歳ごろまでに自然と真っすぐな脚の状態に近づくといわれています。 しかし、7歳を過ぎてもX脚の傾向が続く場合は、何らかの要因が関係している可能性が考えられるでしょう。
例えば、「くる病」という病気の症状のひとつとして、X脚やO脚がみられることがあります。くる病は、乳幼児・成長期におけるビタミンDの欠乏によってカルシウム・リンが不足し、骨が弱くなることで発症するとされています。
適切な対応をしなければ、歩行に影響を及ぼすことがあるため、X脚が気になる場合は医療機関を受診することが大切です。
X脚を進行させないための方法
先天性のものではなく、生活習慣が原因でX脚になっている場合、セルフケアによって進行を防げる可能性があります。下記で、X脚を悪化させないための方法をみていきましょう。
ヒールの高い靴の着用時間を減らす
ヒールの高い靴を履くと、足裏の筋肉が衰えてしまうおそれがあります。つま先に体重が集中して、その結果、足の裏のアーチ機能がうまく機能できなくなるためです。
X脚を進行させないためには、できるだけヒールの高い靴の着用を控え、足裏全体に体重を分散できるスニーカーやウォーキングシューズを選ぶのがおすすめです。
正しい姿勢と歩き方を身に付ける
座るときは骨盤を起こして背筋を伸ばし、左右の座骨に均等に体重が乗るように意識しましょう。足は組まず、足裏全体をしっかり床につけるのがポイントです。
また、普段から正しい歩き方を意識することでX脚の改善につながります。上から糸で引っ張られているイメージで背中を伸ばし、視線は足元ではなく15mほど先に置きましょう。かかとから着地したら、足の指を使って地面を捉えます。肘は軽く曲げ、少し大きく振るとリズムが掴みやすくなります。
なお、歩行時につま先が外側を向いている方は、つま先を少し内側に向けて歩いてみましょう。こうすることで太ももの内側に力が入り、足の小指側に体重が乗りやすくなります。
足のストレッチをする
太ももの内側にある内転筋が硬くなると、膝が内側に寄りやすくなります。下記のストレッチで内転筋をほぐし、X脚の改善を目指しましょう。
1.床に座り、両方の足の裏をくっつける(膝は軽く開く)
2.両手の人差し指の内側を鼠径部(下着のライン)に当て、内側に流すようにさする(30秒)
3. 片方の足を開き、両手を合わせて床の前方につける
4.この状態で、開いた足のつま先を前後に動かす動作を30秒続ける(内ももが伸びていない場合はもう少し足を開く)
5.反対側の足も3~4と同様にストレッチする
6.四つ這いになり、両膝を左右に広げる
7.両肘を床につけ、お尻を少し上に突き出す(30秒キープ)
足やお尻の筋トレをする
X脚の方はお尻や足や筋力が低下しがちです。下記のトレーニングで大殿筋や足全体の筋肉を強化しましょう。
大殿筋を強化するトレーニング
1.床やベッドで仰向けになり、両足の膝を立てる
2.両腕は胸の前でクロスする
3.この姿勢のまま、お尻を上に持ち上げる
4.肩から膝が一直線になる高さまでお尻を持ち上げたら、ゆっくり床まで下ろす
5.3~4を繰り返す
筋トレの効果を高めるためには、膝をしっかり立てることが大切です。
足全体を鍛えるスクワット
スクワットは、お尻(大殿筋)や太ももの前側(大腿四頭筋)、太ももの裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)、背中(脊柱起立筋)などを一度に鍛えられる効率的なトレーニングです。最初は少ない回数から始め、慣れてきたら少しずつ回数を増やしましょう。
1.肩幅より少し大きく足を開く
2.つま先は少し外側に向ける
3.両手を腰に当て、猫背にならないよう背筋を伸ばす
4.視線は真っすぐ前方に向け、お尻を後方に引きながら膝を60度まで曲げる(股関節は腰に当てた手を挟み込むように曲げる)
5.膝をゆっくり伸ばす
6.10回3セット行う
膝を曲げる際は、内股にならないよう注意してください。間違ったやり方で行うと効果が得られないため、一つひとつの動きを確かめながらゆっくり行いましょう。
まとめ
多くの場合、X脚は不良姿勢や不自然な歩き方、足・お尻の筋力低下、親指の機能不全など、生活習慣や日常生活のクセが原因で起こります。
X脚は美容的な問題にとどまらず、膝の痛みや変形性膝関節症につながることがあるため、早めのセルフケアで進行を防ぐことが大切です。日頃から正しい姿勢と歩き方を身に付け、無理のない範囲でスクワットや筋トレを取り入れてみましょう。
X脚とは逆で、両膝が外側に彎曲するO脚の症状がある方は、下記の記事で紹介している改善方法を参考にしてみてください。
【関連記事】
足首から曲がっているO脚の原因と改善方法を解説